選択の自由1

先月末、ブラジルの最高裁が米国ソーシャルメディアの「X」(旧ツィッター)に偽情報を拡散したとして国内サービスの停止命令を出したというニュースがあった。いよいよ言論統制が民主主義国家にも本格的に行使される現実が表面化し、重苦しい気分になった。ブラジルは、昨年1月ルーラ大統領が就任し約6年半ぶりに左派政権が主導している。

しかしその翌日9/1の昼過ぎに、たまたま職場のTV放映で『「ドイツのための選択肢」が初めて第1党になる勢いです』というニュースを耳にし、心に光がさす気持ちになった。今月1日と22日に行われる3つの州の議会選挙で、移民や難民に対して排他的な主張を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢」が初めて第1党になる勢い、という素晴らしいニュースだった。(内容は9/1NHK NEWSWEBより確認)

ずっと重苦しい話題が続くと心が疲れてきて、そこから離れたくなる。危機感を持っていても余程の強い執念がないと気持ちが続かない。強い正義感(justice)で行動し続ける人たちは特別な存在だと思う。

私たち一般市民は、世界の二重基準(ダブルスタンダード)に疲れ果てている。世界平和の実現!?、機会均等!?、平等な社会の実現!?、地球環境の保全!?、耳触りの良い言葉は表面的で、汚職と利権、一部の上級国民が利益を貪り、一般市民や一部の地域がどうなったって構わない。

話し合いによって平和的な解決方法をさがし実行すれば人の命も環境も守れるのに、そうしない。少数の個人的な理由で、戦争行為を正当化した内容や自分たちの利益になる考え方をメディアで報道し続け、その印象操作に私たちは振り回されている。もはやG7の国々に民主主義が存在していない。

EU内で右派政党が勢力を拡大しているニュースは心強いが、一方で今回の「X」のように、司法を味方につけた権力が明確な言論統制を始めた。全体主義、専制主義、過去の歴史を繰り返すのか。日本の立憲民主制も、全くのダブルスタンダード、おかしいことを正すしくみが崩れている。

しかし、ちなみに私は『嘘も方便』を擁護する立場で、場合によっては二重基準(ダブルスタンダード)も善だと思っている。知りたくない真実もあるものだ。でも、知りたくない真実を教えることが善だと思うこともある。だから、場合によって現実主義であり理想主義であり、または結果重視ということになる。(ご都合主義か!!)そう、二重基準も内容次第、ようは結果が重要なので、ウィンウィン(win-win)であれば大概のことは受け入れられる。結果良ければ全て良し。多くの人はそうなのではないだろうか。私たちのwinも考えてほしい。

日本企業の再編も続いているので、最近の気になった記事を以下に載せた。
日本製鉄は、アメリカの大手鉄鋼メーカー、「USスチール」の買収計画が実現した場合の経営体制を公表し、取締役の過半数をアメリカ国籍とすることなどを明らかにした。日本製鉄は去年12月、USスチールを買収することで両社で合意したが、鉄鋼業界の労働組合が反対している。(文章の切り抜きは9/4NHK NEWSWEBより)

アメリカの投資ファンド「ベインキャピタル」は、業務用ソフトウェアの開発などを手がける「富士ソフト」に買収を提案すると発表した。「富士ソフト」は、8月にその買収提案に対して賛同を表明していて、アメリカの大手投資ファンドどうしが争う異例の展開となる。「KKR」が、およそ5600億円で買収し非上場化させると発表後、「ベインキャピタル」が提案の5%ほどを上回る買収額を提示しているとのこと。この会社は、業務用ソフトウェアのほか、携帯電話や自動車の制御ソフトの開発に強みがある。この会社をめぐっては、大株主でシンガポールの「アクティビストファンド」との対立が続き、「KKR」の傘下で再上場を目指す考えだった。(文章の切り抜きは9/3NHK NEWSWEBより)

買収が公表されたあとに、対抗する提案が出される例は、日本ではまだ少なく、会社は「今後、法的拘束力のある提案を受領した場合には、KKRからの提案との比較も含め、慎重に検討を行う予定だ」としている。

日本企業をめぐっては、8月に「セブン&アイ・ホールディングス」がカナダのコンビニ大手から買収提案を受けたと発表するなど、海外勢による大規模な買収提案が相次いでいる。

セブン&アイが外為法=外国為替及び外国貿易法で、外資による日本企業への出資を規制する対象となることが分かった。外為法では、日本の安全保障上、重要だとする業種を政府が指定し、外資による出資にあたっては国への事前の届け出を義務づけている。(8/23NHK NEWSWEBより)

金融資本家たちが、どうすれば資産を維持できるかを考えて動いているようだ。これから先、生き残る業種、企業はどこなのか。日米の経済は縮小するのか、しないのか。日本企業の経営体制は、どんどん外資のものになる傾向が続いている。真面目な日本人労働者はますます肩身の狭い労働環境を強いられるのだろうか。日本と日本人のために動いてくれる政治が必要だ。日本人労働者も自分の能力を生かして働き方を変える時代が来たのかもしれない。

R6.9.7

*インターネット内の情報を参考にさせてもらいました。

*全体主義…個人の自由や社会集団の自立性を認めず、国家全体の利害を優先させるために統制を行う思想または政治体制。権威主義体制の極端な形。

*専制主義…支配者層が大多数の被支配者層の政治的関与を認めず恣意的に統治を行う政治体制。独裁政治。

*立憲君主制…憲法に基づいて君主が治める政治体制で、君主の権力が一定の制約を受ける。議会政治。君主は象徴的存在。

*立憲民主制…憲法を制定し、その憲法に基づいて議会で政治を行う国家体制。

*嘘も方便…嘘をつくのはもちろん悪いことだが、時と場合によっては、ものごとを円滑に運ぶための手段として必要なこともあるということ。「方便」は、便宜的な手法の意味。本来は仏教の教えで、一般大衆を救って悟りの世界へ導くためには、仏も嘘をついたということから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました